今年のテーマは「営業」です

今回ご紹介するのは、私の起業のお師匠さまである関根雅泰さんの『営業に役立つコミュニケーションのポイント』という本です。

関根さんは2005年に株式会社ラーンウェルを創業し、大企業を対象とした人事研修を専門にされている方です。
個人で大企業を相手にすると聞くと気がひけてしまいますが、こちらの本には長年「営業」に力を入れ取り組んできた関根さんのノウハウ、テクニックが詰め込まれています。

2006年出版ということで少し古いように思われますが、内容は現在にも通用する普遍的なものだと感じました。

だからこそ、比企起業大学や比企起業大学大学院でも、時折この本が営業本として取り上げられているのでしょう。

「営業」は私が今年最大の課題として掲げているテーマでもありますので、ぜひこの本からみっちりと営業のエッセンスを学んでいきたいと思います。

「コミュニケーション」とは?

まず営業の前提にあるのが「コミュニケーション」です。

本の中では「コミュニケーションは人とのやりとり」であるということが冒頭に示されています。

何をやりとりするのかといいますと、それは「情報」です。
情報といっても単なる事実とかデータということではなくて、「事実+感情」が情報であるということが書かれていました。

さっそく目から鱗が落ちました。

この「事実+感情」という情報をやりとりするのがコミュニケーションであり、営業の基礎になるものだということなんです。
このことを念頭に置きつつ、私が気になった以下の3つのキーワードについて本のエッセンスを深掘りしていくことにします。

①ちょこっと説明とじっくり説明
②問題解決支援業としての営業
③起業家候補

①ちょこっと説明とじっくり説明

まずは「ちょこっと説明とじっくり説明」についてです。

この2つは同じ「説明」でも目的が違うというんですね。
なにかといいますと、「ちょこっと説明」というのは相手から情報を引き出すためにする説明、「じっくり説明」は相手に納得してもらうための説明ということです。

ちょこっと説明・・・相手から情報を引き出すことが目的

じっくり説明・・・相手に理解し、納得してもらうことが目的

これがすごくおもしろいと思いました。

営業というと、つい自分や商品のことを話さなきゃと思ってしまったり、自分の話をしたくなったりしてしまうんですけれども、相手との関係ができていなかったり、まだ興味を持ってもらっていないのにそれをやってしまうと相手は逆に身を引いてしまいます。
それどころか売り込みに来たと思われて、「敵」のように身構えてしまうということさえあるのではないかと思います。

そのため基本は「聴く」ということが大事なんですが、中には自分からは話してくれない人もいます。

そのときに相手から話を引き出すための呼び水として使うのが「ちょこっと説明」です。
「ちょっとだけ」情報を出したり、説明したりして相手が興味を持つポイントを探るというやり方ですね。

そして相手が「それなんですか?」と興味を持ってくれて、もっと聞きたい、商品を買いたいとなったときに、きちんと前もって誤解がないように理解・納得してもらってから契約するという場合にする説明が「じっくり説明」ということになります。

②問題解決支援業としての営業

次に「問題解決支援業としての営業」についてです。

こんな一文がありました。

商品・サービスを売ることが営業の仕事ではありません。その商品・サービスを使って、お客さまが問題解決をすることを手伝うのが営業の仕事なのです。

この言葉もすごくいいなと思いました。

このように考えると、問題を抱えている人が目の前にいて、それを助けないのは見捨てることになってしまいますので、それを手伝わないのは逆に「いけないこと」と思えるのではないかと思います。

商品を売るのではなく、問題解決を手伝う対価としてお金をいただくというように考えられます。

起業すると最初は「値段がつけられない」とか、「お金をいただくのは悪いのではないか」という悩みを感じることもあるかと思いますが、困っている人を助けるのは当たり前と思えれば営業の考え方がすごく変わる気がします。

このマインドもぜひ身につけたいですね!

③起業家候補

そして3つ目が「起業家候補」についてです。

営業と起業家候補がどう関係するのかと不思議に思われるかもしれません。
でも実はこのキーワードが一番この本で印象に残った言葉でした。

本の最後で、「営業は起業家に最も近い位置にいる」ということが書かれていました。

どういうことかといいますと、「起業家とは資源を活用し、顧客の創造と維持ができる人」のことで、「その顧客の創造と維持を普段やっていて、なおかつそのための人、もの、金、情報、時間という資源を活用しているのが営業という役割」ということです。

そのため営業こそが起業家に最も近いところにいるということがいえるというわけです。

これもすごく目から鱗でした。

「営業」はまさに「業を営む」と書きますので、経営そのものともいえるのではないかと。

同時に営業を頑張ることで、起業家として成長することができるのではないかと思いました。

繰り返しになりますが、私の今年のテーマは「営業」ですので、起業家として成長し、経営を継続していくためにも引き続き「営業」を頑張っていきたいと考えています。

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以上、今回は関根雅泰さんの『営業に役立つコミュニケーションのポイント』についてご紹介しました。
参考になりますと幸いです。

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また、忙しくて本を読む暇がない、ここに書かれていることを何度も読み返したいという方に向けて、音声配信アプリstand.fmのチャンネル「地域でしごとをつくるラボ」でも本書 営業に役立つコミュニケーションのポイント のご紹介をしています。

よろしければこちらも合わせて活用してみてください。

stand.fm「地域でしごとをつくるラボ」でのご紹介はこちら