読んでいたら、ビジネスアイデアがいくつも浮かんできた!

読んで字のごとくですが、本書を読んでいるうちから、いろんなアイデアが浮かんできました。
もちろん、ビジネスになるかどうかわからないアイデアレベルではありますが、考えていてワクワクしました!

起業家の友人の話を聞いてから、ビジネス書やまちづくり関係の本を読み漁っているせいなのか、本書に触発されてなのか、それともたまたまなのかはわかりませんが・・・。
もしかしたら、本書の舞台が、これも「地方」という関わりしろの多い場所であるおかげなのでしょうか(笑)

思いついたものを備忘録的にメモしておくと・・・

・地域起業家インターン
 → 地域企業へのインターンは他に事例が多くあるけど、起業家にフォーカスしたものはない
・地域課題に対する起業家×学生×社会人によるプロジェクト
 → 都市圏の学生だけでもビジネスパーソンだけでもなく、両者を交えることで化学反応を狙う
・遊休公有施設の活用
 → 稼働率の低い施設、または廃止された遊休施設を、シェアハウス&シェアオフィスとして活用
   学校の空き教室をシェアオフィスとして活用、生徒・児童には社会教育の機会提供

また、全国レベルで展開しているSMOUTや地域インターン、Joinのような事例がありますが、たとえばときがわ町や比企地域というローカルに特化することで差別化も可能かと思います。

要はそれだけ地域というフィールドには課題=関わりしろがたくさんあるということですね!
極端な話ですが、東京23区内に手付かずの荒れた森林なんてありませんから。

『ローカルベンチャー』の中で、著者の牧さんは「地方にはビジネスの可能性があふれている」と言っていますが、まさにそのとおりだと思います。

もちろん地方の可能性はビジネスだけではありませんが、地方でビジネスをすることのメリットとしては次のようなことがあると思います。

・都会にはない自然資源がある(山、海、川、景観、その他)
・プレーヤーが少ない 
 → 都会だと100万分の1の存在でなくてはならないが、地方なら1万分の1でも戦える
・目立ちやすい(知ってもらえる)
・お客さんが近い(口コミで広がりやすい、移動時間・コストがかからない)
・固定費が安い
・会いたい人とすぐつながれる
・行政の意思決定スピードが早い

これらは裏を返せば「ものがない、人が少ない」ということなのでデメリットにもなりえますが、考え方しだいではものすごい可能性があると私は思っています。
特に、コロナ禍で地方に対する注目はこれまで以上に高まっていますし。

以外に見落とされがちなのが、「行政の意思決定スピードが早い」。
もちろんこれは地域ごとの組織の体質にもよるのですが、本当に地域が良くなっていくためには、必須条件ではないかと個人的には考えます。

その点、私がお世話になっているときがわ町は、行政と民間の距離感が近いと感じます。
これは事業をする側にとっては非常にありがたいことなんです!

本書でいう「逆参勤交代」の特色は、地域にも企業にも訪れる人にもメリットがあるというものです。
そして、受け入れる「地域」は、さらに、行政・企業(個人事業者含む)・住民に因数分解できます。
ネーミングはともあれ、この三方よしの考え方はこれからのまちづくりには欠かせないポイントですので、関わる人がそれぞれ「地域」というフィールドで価値を提供し、同時に価値を受け取れるような事業、仕組みを考えていきたいですね!

本書のまとメモ

(↓ここから本書のまとメモです)

なぜ今、逆参勤交代なのか

・逆参勤交代とは、大都市圏社員の「地方での期間限定型リモートワーク」
 → 江戸時代の参勤交代では、江戸に藩邸が建設され、全国に街道が整備され、新たな人の流れが
   生まれた。参勤交代者は江戸の文化を楽しみ、江戸には地方の文化がもたらされた
 → これを逆にすると、地方にオフィスや住宅が整備され、地方に新たな人の流れが創られる。
   逆参勤交代者は、通勤時間が格段に短くなり、ゆとりある環境で仕事に集中できる、週に
   数日は本業、数日は地域のために働けば、人材不足に悩む地域の担い手にもなれる
 → 働き方改革と地方創生を同時に実現できる

・ワーケーションの本質は、地域の人々との交流のコミュニケーション、地域に何か貢献するコントリビューション、地域の魅力や課題を学ぶエデュケーション
 → 逆参勤交代は、これらの掛け算により、企業にも地域にもイノベーションを生み出すきっかけ
   なる

・三方一両得の「明るい逆参勤交代」
 (本人)ワークライフバランス、モチベーションの向上、新たなセカンドキャリア
 (地域)関係人口や担い手、雇用の増加
 (企業)働き方改革、健康経営、地方創生ビジネスの強化

・逆参勤交代構想が普及するには、「自分もこうなりたい」と思うようなロールモデル、「ヒーロー/ヒロイン」が必要
 → 彼らに成功事例や失敗事例のストーリーを語ってもらうと、「我がこと」として捉えられる
 → 失敗談も、未来人材育成における大きな教訓としてのコンテンツとなる

・逆参勤交代のモデル
 ①ローカルイノベーション型
 ②リフレッシュ型
 ③武者修行型
 ④育児・介護型
 ⑤セカンドキャリア型

逆参勤交代への各界からの期待

・過疎の地域へ行くほど、自治体職員の地頭が良い。他に安定した就職先がないから
 → 外の世界に関する知識をもっと持てば、他の地域と比較したうえで、自分たちの良い点や
   遅れている点を認識できる
 → 逆参勤交代でよそ者が入ることは重要

・逆参勤交代が抱える課題の解決策として、SDGsやESG投資との相乗効果を生み出し、地方創生につながる逆参勤交代を行えば、企業価値が高まり、市場からも評価されるという流れを作ることも考えられる

・森林環境譲与税
 → 森林がない地域に配分された譲与税を、山間地の森林整備に使ってもらうこともできる

 ⇒ たとえば、板橋区とときがわ町が連携協定を結んで、板橋区に配分された森林環境譲与税を、
   ときがわ町の森林整備に充てることは可能か?

・都市と地方の人材を循環させていく取り組みにおける2つの課題
 ①首都圏の人材を縛る企業の囲い込みをどう緩めるか
  → 同時に受け入れ側も、どんな人材を必要としているかが非常にあいまい
 ②首都圏の人材に地方の幹部求人に関する情報が十分に届いていない

 ⇒ 地方企業の課題を顕在化させて、人材を送り込む地域インターンにはいろんな展開が考えら
   れる。ミドルシニア層、若手幹部候補、学生など
 ⇒ ときがわ町ならば、自営業が多い特性を活かして、「起業家インターン」もありかも

・市民・ワーカーを巻き込みながら新しいことをやっていくには、企業や組織の中ではなく、実際に人々がクラス街で行う社会実験「リビングラボ」が必要
 → オフィス街には住民がいないので、小規模でやった方がいい場合は地方でやる

・「みんなでやろう!」と声を上げる時は、必ず自分もやる。自分だけでもやりきる気持ちで取り組むことが大切

・「生涯学習」と「地域課題を解決する」というテーマに若者は惹きつけられる
 → ローカルイノベーションに関心が高く、地域の課題に向き合って、自分の力を試したいという
   強い思いを持っている

・地域課題の解決に向けて、いい案を出す人はたくさんいるが、「それを誰が実施するか」が課題
 → 構想を、具体的な事業計画に落とし込むことが重要で、「誰が」という主語を念頭に置いた
   議論が必要

・「こういう企画をやったらいいじゃないですか」といった評論家的なスタンスではなく、「この人、この企業を連れてきてやります」となると、実現性が高まる
 → 自分事として「私が何をやるか」

・官は補助金を出すだけではなく、目的や理念を民と共有し、自分事として住民や関係者と一緒に悩み、ともに考え、行動することが必要

 ⇒ まさにそのとおり!
   「市民の意見を聞く」の名のもとに、議論や決定を市民に「丸投げ」している感が見え隠れ
   することが多い

やってみた!トライアル逆参勤交代

・掛かる負担の割には継続的なメリットを地域に与えづらいイベントによる「イベント疲れ」から脱却するために、単なるお祭り的なイベントではなく、地域に好影響を与えることを優先する

・都会のビジネスパーソンは地方に対して「あなたの街はこうすべき」と、その街や地方を主語にして提案しがちだが、どれだけ良質な提案でも、主語が自分=「私」でない限り相手の心には響かない

逆参勤交代を実現させるための提言

・大企業の幹部の約7割が「逆参勤交代」に社員を参加させたい意向
 → セカンドキャリア型 39%
   ローカルイノベーション型 34%
   リフレッシュ型 29%

・セカンドキャリア型では、75%が「シニアのキャリア転向の機会創出」への関心

・ローカルイノベーション型では、62%が「地方の課題解決を起点とした新規事業の創出」

・リフレッシュ型では、89%が「社員が心身リフレッシュすることによる生産性向上への期待」

・実施の壁は、効果の明確化、費用負担、自社の環境整備