宮代町・杉戸町でまち歩き&地域のキーマン巡り

まなびしごとLABの風間です。
こんにちはー!

2023年11月22日(水)、埼玉県のまち歩き&地域のキーマン巡りフィールドワークin宮代町・杉戸町を開催しました。

埼玉県関連の仲間と始めたこの企画。

今回は、メンバーにとってもあまりなじみのない県東部エリアに目を向けてみようということで、宮代町・杉戸町にお邪魔することになりました。

アテンドいただいたのは公共R不動産などで活動されている菊地純平さん

この日に訪れた場所とお会いした方は以下のとおりです。

  • コミュニティセンター 進修館(宮代町)
  • 蛭田農園 蛭田ご夫妻(宮代町)
  • セレクト横丁ROCCO(宮代町)
  • しごと創造ファクトリー ひとつ屋根の下 矢口真紀さん(杉戸町)
  • 無印良品 東武動物公園駅前(宮代町) ※私は途中退席で不参加のため列記だけ

活動のふり返りとして、差しさわりない範囲で書き留めておきます。

圧倒的な発想と造形で、地域の誇りと魅力を創出 ~コミュニティセンター 進修館(宮代町)

集合場所に選ばれたのは、宮代町のコミュニティセンター進修館

象設計集団が設計した建物として有名な施設です。

なんと宮代町には象設計集団が手掛けた小学校もあるということで、象設計集団が設計した建物が複数ある自治体は他にはないということでした。

今回、案内役を務めていただいた菊地さんも、もともとは象設計集団のファンで、昨年、宮代町に引っ越してくる前に訪れたことがあったそうです。

まずは建物をぐるっと見て回ります。

とにかく造形美がすごい建物です。
どうしてこんな建物にしようとしたのか、その発想自体にも驚かされます。

2階は開放されていて、自由に利用できるそうです。

お昼の時間帯はランチをする人がいたり、放課後は勉強する中高生がいたりするといいます。
フリーwifiがあるのも魅力的ですね。

もちろん椅子やテーブルといった什器類も凝ったデザインのものが置かれていました。
こういう場所で打合せをすると、気分が変わっていいですねー。

デザインは凝っていますが、決して近寄りがたい感じではなく、不思議ともっと訪れたくなるような雰囲気です。
もしかするとつくられて終わりというハコモノではなく、こうして開放されて利用されてきたことで、地域になじんだ場所になっているからなのかもしれません。

こういう文字にはちょっと笑ってしまうようなところがあったり、不思議なデザインを見てワクワクする雰囲気もあります。

今回は少しの時間だけでしたが、また改めてじっくり探検してみたくなるような場所でした。

農業の「常識」を覆す ~蛭田農園(宮代町)

進修館を出て、車で蛭田農園さんに向かいます。

園主の蛭田秀人さんはなんと草加市出身ということで、同じ草加出身の私としては勝手に親近感を覚えました。

蛭田農園さんでは主に5つのテーマで農業を行っているそう。

①有用微生物を利用した農法
②地域循環型農業
③栄養周期理論に基づいた施肥
④不耕起栽培
⑤メタン発酵によるエネルギー循環と有機肥料づくり

上の5つのテーマに沿って、蛭田農園さんの取り組みについていろんなお話をお聴きしました。

一言でいえば、これまで私が抱いていた農業に対するイメージや「常識」が覆されました。

私の理解の範囲で、蛭田さんのお話のメモを以下に書き出しておきます。

  • 「虫が食っているのはおいしい野菜の証拠」というのは間違い。虫は分解者であり、虫が食っているのは野菜が弱っている証拠。健康な野菜であれば虫は食べない。(人間も同じ)
  • 化学肥料や農薬で育った野菜はメタボ状態。温室育ちなので、そういう状態でしか育たなくなる。
  • 「地域循環型農業」で大切なのは「地域」ということ。有機農業だから牛や豚のフンを使った堆肥を使わなければいけないというわけではない。畜産のない地域でそうしたものを使おうとすると、そもそも遠くから運んでくるしかない上に、それらを分解できる微生物も地域にいない。地域に合ったやり方を選ぶことが重要
  • 剪定された枝、もみ殻、イベントで使った竹も使えば資源になる。収穫が終わった畑にばら撒いて、表土を覆うと雑草が生えづらくなる。雑草は大切な土を守ろうとして生えてくるもの
  • 理想は森の環境。土を耕す行為も本来自然ではない。土は100年かけて1cmしかできない。作物が育つ土はせいぜい20cmくらいしかない。微生物が耕す。だから不耕起でいい
  • 土が露出しない状態をつくるのに、剪定枝、もみ殻などを使っている。本来はチップにするのがベター
  • 家庭ごみをメタン発酵させる。家庭ごみの6割が生ゴミ。水分が大半。それを燃えるゴミとして出している。燃えないものに余計なエネルギーをかけて燃やしている状態。牛の腸内を再現して発酵させ、メタンガスをつくり、そのガスを燃料として使ったり、発電に使っている
  • 牛のゲップが温室効果ガスであるメタンガスを発生させると悪者扱いされているが、本来は草しか食べない牛を早く太らせるために穀物を与えることで、過剰なメタンガスの発生を招いているのは人間

最後は直営の直売所でお買い物。

商品のポイントは、「お酒に合うかどうか」だそうです笑

これからの新しい「商店街」の可能性を見た ~セレクト横丁ROCCO(宮代町)~

お次に向かったのは、地元の中村建設さんがリノベーションを手掛けたセレクト横丁ROCCO

ROCCOには以前にも訪れたことがありますが、そのときは一つのお店しか開いていなかったので実質ほぼ初めてでした。

ときがわ町長の渡邉さんが「お店が3つそろうと賑わいが生まれる」と常々口にされていますが、まさにそれを体現したような施設です。

5つのお店(6つ目はトイレなど共有施設)が集まって、それぞれが個性ある専門店なのでいずれも強い吸引力があります。
これは嬉しい!

困ったのは、隣のお店を出たら次のお店と、買い物が止まらなくなってしまうところ笑

これからの商店街にはまさにこの吸引力、個性が必要ではないかと思います。
ROCCOに、未来の商店街のあるべき姿を見たような気がしました。

この体験は北坂戸団地のまちづくりにも活かすことができそうです。

人とコミュニティのエネルギーで地域に循環するしごと ~しごと創造ファクトリー ひとつ屋根の下(杉戸町)

次に向かったのは、しごと創造ファクトリーひとつ屋根の下

こちらは宮代町ではなく杉戸町に位置しています。
とはいっても東武動物公園駅からほど近い古利根川を渡ってすぐの場所にあります。

この日は軒先マッサージや世界のごはんを紹介する集まりなどで賑わっていました。

矢口真紀さんが代表を務めるchoinaca合同会社の「月3万円ビジネス」卒業生の皆さんが、ひとつ屋根の下にことあるごとに集まって、いろんなイベントを手がけているそうです。

地域にこうしたコミュニティ、集まれる場所があるのっていいですよねー。

矢口さんからは、月3万円ビジネスのほか、「しごとをつくる人をつくる」取り組みに関するお話を伺いました。

私のミッションも、「地域でしごとをつくる人をつくる」と似ているため、非常に共感するところが多く、勉強になりました。

メモの手が止まりませんでした。

【矢口さんのお話メモ】

  • やる人が誰もいないのに、ハードだけ整えてもしかたがない
  • やる気のある人を見つける、集める、育てることが必要
  • 「月3万円ビジネス」は月3万円を稼ぐことがゴールではない。目的は「仕事」の眼鏡をかけかえること
  • 特に女性
  • 地域内での民間消費額が周辺自治体で最低だった
  • 地域でお金を使う場所がない
  • 消費者→生産者→表現者→投資者への転換
  • 卒業生は9年で300名
  • 身の回りのものが卒業生の商品になっていく
  • わたしごと万博
  • 大事なのはつながること、コミュニティ。仲間が増えることがエネルギーになる
  • お金だけでなく、地域資源、エネルギー、人という経済循環。一つの経済圏
  • 仲間同士で買い合う
  • お金を生み出す < エネルギーを生み出す
  • 卒業生の活動を見たお客さまが、卒業生をロールモデルとして、次の門戸をたたいてくれた
  • 1人のカリスマより、100人のロールモデルをつくる
  • この場所を使って、新しい商店街をつくりたい
  • 講座が終了した後のコミュニティづくりを意識している
  • グランドルール
    ①ワクワクを何よりも大事に(自分も仲間も)
    ②yes,and
    ③今に集中する
    ④失敗はウェルカム
    ⑤守秘義務とマナーを守る

感想

残念ながら最後まで参加することは叶いませんでしたが、それでも学び多き1日でした。

宮代町・杉戸町というエリアへの興味ももちろん高まりましたが、自分が住んでいる地域にも活かせそうなこと、自分が手掛けている事業にも活かせそうなこともたくさん見つかりました。

知識だけであればインターネットを使えば楽に得ることはできるのかもしれません。

ですが、こうして実際にまちを歩いて、直接人に会って話を聞くと、やはり比べ物にならないほど得るものが多いと感じました。

それに地域で実践されている人とのつながりができるのも嬉しいですよね。

訪問先の方ともそうですし、一緒に参加した方々とのつながりもつくることができます。

このようなまち歩きシリーズは今後も続けていきたいと思います。

今回、企画・調整いただいた矢ヶ部さん、菊地さん、ありがとうございました!
また、訪問を快く受け入れてくださった宮代町・杉戸町の関係者の皆さま、ありがとうございました!

これまでのまち歩き

第3回 宮代町・杉戸町 
埼玉県のまち歩き&地域のキーマン巡りフィールドワークin宮代町・杉戸町を開催しました(2023年11月22日)

第2回 熊谷市(星川エリア)
埼玉県のまち歩き&地域のキーマン巡りフィールドワークin熊谷市星川エリアに参加しました(2023年9月4日)

第1回 熊谷市(妻沼エリア)
埼玉県のまち歩き&地域のキーマン巡りフィールドワークin熊谷市妻沼に参加しました(2023年8月30日)

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