2022年11月24日(木)、東京にある2つのセレクトショップ、アナザージャパン(千代田区)とコトモノミチ(墨田区)を訪問しました。

2つとも以前から気になっていた場所で、ずっと行ってみたいと思っていました。

コトモノミチで11月末まで、企画展「町工場のHENRIN」を開催しているということを知り、これを機にいってみました。
両方いけてよかった!

訪問レポートを公開します。

前編のアナザージャパン訪問のレポートはこちら

職人との交流、モノづくり体験ができる「コトモノミチ」

墨田区にあるコトモノミチは、日本各地のモノづくりを支える人たちと共に考えて作ったコトやモノを伝えていくショールーム兼イベントスペース兼ショップです。
セメントプロデュースデザイン社が運営しています。

11月末までは、町工場の技術の片鱗に触れる企画展として「町工場のHENRIN」を開催しています。
期間中は、各工場でワークショップなどの受け入れもされているようです。

私もこれまで越谷市役所職員や一般社団法人ときがわ社中の仕事で、地域の中小企業の製造業を見てきましたので非常に関心がありました。

刃物で有名な岐阜県関市出身で、刃物製造工場で働いていたこともあるスタッフの方とお話することができましたので、記録しておきます。
(お名前をお聴きしませんでしたので、仮にTさんとします)

Tさんのお話

●地域の製造業の現状
・地域の中小企業の製造業は、メーカーから部品製造や中間加工を請け負っており、最終製品を持っていないことが多い
・何の部品なのかもわからずに、依頼されるままにつくっていることもある

●消費者との関係
・最終ユーザーの顔が見えないので、職人さんは自己肯定感が低くなりがち
・一般消費者からの認知度が低い
・同じ地域内でも関係者以外の認知度が低い
・地域での認知度の低さは採用活動にも不利に働く

●最終製品開発
・プロダクトアウト型の開発は在庫リスクが高い
・そのときは売れなくても、10年くらいたった後で急に時流に乗って売れることもある
・なんの役に立つかわからなくても、とりあえずお店に並べておいたら、お客さまが「コレ、こういうふうに使えるんじゃない?」といって買っていったものもあった。目に触れる機会があると、お客さまから提案がもらえる

優れた技術を持っていても、最終製品を持っていないがために認知度が低く、採用活動で不利になりがちというのは、越谷市や比企地域の製造業者さんを取材している中でもよく聞かれた共通の悩みです。

地域住民や一般商品者との接点をつくるためには、情報発信もさることながら、こうしたショップやイベントなどの出品、工場開きなどもいいですね。

工場開きで見学、体験ができるようにすることは、在庫を抱えるリスクがなく、工場を開放するだけで可能です。
燕三条地域でやっているようなオープンファクトリーは比企地域でも取り入れてみたいですね。

もちろん来た人の受け入れ体制、見学コースやトイレなどの工場の環境面、対応にあたる人員配置などの整備が必要という問題もあるかと思います。
これらも商品開発と同じくらい大変なことです。
ただ、一般の方にも伝えられるくらいまで自分たちの業務を掘り下げられるようになれば、自社技術への理解も深まるのでメリットもあるような気がします。

また、1社だとどうしても集客面や認知度などすぐに効果を出すのは難しい面もありますので、地域単位で複数社で取り組んでいけるとPR効果が高まりそうですね。
単なるお祭り騒ぎではなく、地元に根差した事業のPRや人材獲得に向けた認知度向上、自社技術の見直しのきっかけにできるといいのではないかと思います。

さらにモノを買うのではなく、地域のコトの体験型コンテンツは、観光や教育のコンテンツとも親和性がありそうですね。

Tさん、ありがとうございました!

購入したものたち

魅力的なものがたくさんあって迷ったのですが、モノ系は子どもたちのおもちゃにされるおそれが非常に高く、口に入れられると困るものもあったので今回は泣く泣く断念しました。

代わりに気になった食べ物系を購入しました(また笑)

左 レモネード(株式会社 神戸ウェルネスサポート)
右 白クルミ(宮川製菓)

感想

アナザージャパンとコトモノミチ、性質は違いますが、2つとも地域商社としてのときがわ社中の事業で非常に参考にできそうな取り組みだと思いました。

地域のコトやモノや人と人とのつながりをどうつくるかということに尽きると思います。

両者とも今後構想している事業に活かせると思うので、比企つづき参考にしていきたいですね!

(前編となるアナザージャパン訪問レポートはこちら