まなびしごとLABの風間です。
こんにちはー!

私の生業は、「地域でしごとをつくること」です。
そのような仕事をしていると、地域で新しいことを始める上での困りごとや悩みをたくさん耳にします。

よく耳にするのは、たとえば以下のような困りごとです。

  • やりたいことはあるけど、誰に相談すればいいか分からない
  • 誰がどんなことをしているのか分からない
  • 忙しくて、動きたくても動けない
  • プレイヤーはいるけど、みんなバラバラに動いている
  • 一緒にやろうとしてもなかなか話が進まない

地域で何かやりたいという人は多いのに、なかなか前に進まないのは非常にもったいないと思っています。
また、同じようなことをやろうとしているのに、お互いをよく知らず、話し合いもうまくいかないために、せっかくの良いアイデアが埋もれてしまうことも珍しくありません。

そんなときに、人と人をつないだり、プレーヤー間の調整をしたり、情報の整理や共有をしたりすることによって、地域のプロジェクト創出を促進する機能や役割、いわば「地域の事務局」が必要ではないか。
そう思うようになりました。

自分でも以前からそのようなことを考えていたのですが、最近、地域でしごとをつくる仲間から「風間さんがやっていることって、地域の事務局みたいな感じですよね」と言われたことがありました。

それがきっかけとなり、「地域の事務局」とはどんなものなのかを自分なりに考えてみることにしました。


地域の事務局とは?

私が考える「地域の事務局」とは、地域の総合案内所であり、地域のプラットフォームのような存在です。

地域には、行政や民間企業だけでなく、教育機関や各種の支援機関、地域活動団体、住民など、多種多様なプレーヤーがいます。
でも、お互いに「どんな人がいるのか」「何ができるのか」が見えておらず、またそれぞれの情報が共有されていないことが多く、それぞれが別々に動いて、もったいないすれ違いがたくさん起きています。

そんな時に「地域の事務局」の必要性をいつも感じています。
もちろん私も「地域プロジェクトパートナー」を名乗り、「地域の事務局」的な役割を意識しているつもりではあるのですが、まだまだ力不足・・・。

地域の情報が集約されていて、これから何かやりたいという人の背中を押してくれるような、地域の総合案内所、観光案内所のような存在。
かつ、地域のプレーヤーや地域で何かやりたい人たちが集まってくるような、プラットフォームのような存在。
それらの機能を合わせ持つのが、「地域の事務局」ではないかと考えています。

地域の事務局に求められる3つの機能

では「地域の事務局」には具体的にどんな役割を果たしうるかを考えてみます。
私は主に3つの機能があると考えています。

① 情報ハブ機能(集める、発信する)

一つ目は情報ハブ機能です。

これは地域に点在している人・活動・情報を集める、整理する、発信する機能です。
「この地域にはこんなことをしている、こんな人たちがいますよ」「今こういうプロジェクトが進んでいますよ」と、地域のアレコレに関する情報を見える化すると、それだけでも地域への解像度は上がります。

また、そういう機能があることが認知されてくると、自然と地域の情報が集まりやすくなるということもあります。

② コーディネート機能(つなぐ、調整する)

二つ目はコーディネート機能です。

何度も言うようですが、地域には行政や民間企業だけでなく、教育機関や各種の支援機関、地域活動団体、住民など、多種多様なプレーヤーがいます。
異なる立場の人たちが一緒に何かをしようとするときはもちろん、出会ったり、話し合ったりするときにも、間をつないだり調整したりする人がいると、驚くほどスムーズに話が進むのを経験したことはありませんか?

特にプレーヤーの絶対数が少ない地域では、プレーヤー間の連携によって手数を増やしたり、一つ一つの取り組みによるインパクトを大きくしたりするには、こうした調整役の存在が必要不可欠なのではないかと思います。
逆に調整役がいないと、せっかくのアイデアも話がなかなか進まず、実現に至らないということになってしまうおそれがあります。(残念ながら地域ではよくある話です・・・)

③ 伴走・サポート機能(動かす・支える)

三つめは伴走・サポート機能です。

やりたい人たちが動きやすいように、情報や異なるプレーヤー間の話し合いの内容を整理したり、進捗を管理したり、必要な連絡調整をしたりといった、いわばプロジェクトマネージャー的な役割です。

時には書類作成といった面倒な事務作業を引き受けることもあるかもしれません。
それぞれがやろうとすると大変な事務的な作業でも、集約・共有することで負担の軽減を図ることができます。

私が一般社団法人ときがわ社中で手掛けている事業として「比企のジンジ」という地域の人事部的なサービスがありますが、その総務部版といえるかもしれません。

「地域の事務局」の可能性

それでは「地域の事務局」があることで、地域にはどのような可能性が生まれるかについて考えてみたいと思います。
ざっと挙げると、以下のようなことが考えられます。

・多様な人が混ざりやすくなる
・地域のリソースが共有されやすくなる
・プロジェクトの質とスピードが上がり、実行数も増える
・挑戦のハードルが下がる

新しい人とつながると、それだけで何か新しいことが生まれるというのはよくあることです。

として出会いのきっかけと少しのお節介(後押し)、面倒ごとの集約といった、地域のあったらいいなが詰まっているのが「地域の事務局」ではないかと思います。
私が名乗っている肩書である「地域プロジェクトパートナー」は、まさにそのような地域の事務局的な役割を意識して使っている表現です。

ちなみに同じような役割の言葉としては、コーディネーター、ファシリテーター、プロジェクトマネージャー、中間支援機能など、いくつかの表現があります。
これらの役割の違いについてはまた改めて考えてみたいと思います。

「事務局」と聞くと、なんだか面倒くさそうなイメージを抱くかもしれませんが、地域のしごとでこそ求められる機能だと思いますので、ぜひ私としては引き続き探究していきたい領域です。

「地域の事務局」づくりやご活用にご興味がありましたら、ぜひご相談ください^^

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