まなびしごとLABの風間です。
こんにちは!
2025年12月2日(火)、坂戸市の環境学館いずみにお邪魔し、全国初の取り組みである「坂戸市ミツバチプロジェクト」についてお話を伺いました。

環境学館いずみは、坂戸市泉町にある公共施設で、その名の通り、坂戸市周辺の地域の環境について学ぶことのできる施設です。
「坂戸市ミツバチプロジェクト」は、環境学館いずみを中心に展開されています。
差し障りない範囲でまとメモしておきます
坂戸市の環境教育のポテンシャル

環境学館いずみを見学させていただいて、まずすばらしいと思ったのは、施設内の展示です。
展示されているマップや写真、創作物などは、すべて環境ボランティアの方々の手によるものだそう。
植物、花、魚、昆虫、野鳥など、各分野で活動をされている団体や個人の方がボランティアとして登録し、それぞれ撮影した写真や調べた記録などをまとめてくれています。


各団体が協力し、こうして集めることで、坂戸市周辺の環境の全体感を網羅することができています。
しかもそれがすべて自主的な活動に基づくものというのはすばらしいですね!
正直、こうした活動が知られていないのは非常にもったいないと思います。
これだけ充実している各団体の活動内容を、もっと多くの方に知ってもらえるといいですね。

そうすることによって、交通利便性が高く、生活環境に優れた都市的な地域でありながら、自然環境も豊かな坂戸市という地域の魅力を知ることができるのではないかと思います。
同時に、そうした坂戸市の環境教育、地域の魅力発信拠点としてのポテンシャルが、この施設にはあるのではないかと感じました。
「坂戸市ミツバチプロジェクト」の3本の柱とは

さて、いよいよ本題の「坂戸市ミツバチプロジェクト」についてです。
「坂戸市ミツバチプロジェクト」は3年間で5人程度のミツバチボランティアを養成する研修などを実施しています。
現在が13期目で、これまで40人以上のボランティアの方を養成してきたそうです。
卒業生のなかには、自分が所有する農地などで養蜂をはじめ、はちみつの販売を行っている方もいるといいます。
一般的にミツバチや養蜂というと、はちみつに注目が集まることがほとんどかと思います。
でも、このプロジェクトの核は少し違います。

坂戸市ミツバチプロジェクトの3つの柱。
それは以下のようなものでした。
- 坂戸にミツバチが生きていける自然が残っており、それを市民で保全していこうという「環境教育」
- 担い手がいない遊休農地を、養蜂に活用しようという「農地活用」
- 観光地としての魅力に欠ける坂戸市の新たな「特産品開発」
「環境教育」「農地活用」「特産品開発」
はちみつはあくまでこの取り組みから生じた一つの結果でしかないのですね。
この考え方には非常に共感しました。
ただはちみつをつくって売るだけであれば、正直、どこでもできることです。
3つの柱を組み合わせることで、坂戸市独自のプロジェクトとしての可能性が感じられました。
大事なことは、養蜂家になる人の数ではなく、地域の自然を自分ごとにできる人が増えることだといえます。
これが環境教育の本質であり、プロジェクトを続ける意味そのものではないかと思います。
生はちみつ「坂戸はちまるハニー」をブランドに

とはいえ、どれだけ良い活動でも「知ってもらわなければ意味がない」というのが現実です。
そのために、消費者(生活者)が自分の身体の中に直接入れる「食べ物」は、知ってもらうための非常に分かりやすい手段であるといえます。
つまり、はちみつは「坂戸市ミツバチプロジェクト」を知ってもらうための情報発信ツールでもあるのですね。
環境学館いずみで研修を受けたボランティアの方、あるいは当施設の採蜜室で採蜜したはちみつは、「坂戸はちまるハニー」という統一された名称でイベントなどで販売されているといいます。
坂戸はちまるハニーの特徴は、なんといっても 生はちみつ であること。
生はちみつには以下のようなメリットがあるといいます。
- 火入れをしていないため、冬でも固まりにくい
- 栄養素や酵素が失われない
- 自然そのままの香りと風味
過熱をしてしまうと、はちみつの栄養素が壊れてしまい、「ただの甘味料」になってしまうのだそうです。
たくさんの優れた機能を持つはちみつを、ただの甘味料としてはもったいない。
そのため、商品開発を行う際には調理の仕方に注意する必要があるのですね。
せっかくであれば生はちみつの良さに徹底的にこだわりたいところです。

その点、坂戸高校生たちとつくった坂戸産はちみつを使ったジェラート「Bee Happy」は、生はちみつの良さを生かすことのできる商品だといえます。
おいしくて、体に良い坂戸のはちみつ。
入口は「おいしい」でいい。
そこから「生はちみつはどうやってつくるの?」「坂戸のはちみつは何が違うの?」「誰が育ててるの?」と興味が広がってくれば、「環境教育」「農地活用」「特産品開発」への視野も広がってくるはずです。
商品が売れることが目的ではなく、商品を通じてプロジェクトや地域への共感が広まり、これらの価値が広伝わり・高まっていくことこそがゴールではないかと思います。
そのために私ができることを今後も続けていきたいと思っています。
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