尊敬する起業家おすすめの人脈術

先日ご紹介した『あえて数字からおりる働き方』(尾原和啓)の中に、「ハイパー性善説」という言葉がありました。
今、まさにそのことを実感しています。
ハイパー性善説とは、尾原さんの造語で、次のような考えに基づいています。

人を疑うコストがなくなれば、情報の伝達や人との出会い、コミュニケーションが早くなる

私が『抜擢される人脈力』に巡り合えたのは、本書をおすすめしていた起業家を疑わなかったからです。
人脈について書かれた本はほかにもたくさんありますが、彼を疑わなかったことで、本書に最短距離でたどり着いたということですね。
(本が絡むと行動は早いんだけどなあ・・・汗)

そして「あの人がおすすめする本なら間違いない!」という直感は間違いではありませんでした。

本書で紹介されている「人脈スパイラル・モデル」は、今後、私が仕事をしていくうえで、大きなヒントになるのではないかと考えています。
人脈スパイラル・モデルの内容は、まとメモの中で整理していますが、さわりだけを書くと以下の5つのステップに分けられます。

【人脈スパイラル・モデルの5ステップ】
①自分にタグをつける
②コンテンツを作る
③仲間を拡げる
④自分情報を流通させる
⑤チャンスを積極的に取りに行く

実は、私もこれまで同じようなことをしていました。
でも、本書を読んで、決定的に著者と違う点があったことに気づいたのです。

それは、「①自分にタグをつける」と「②コンテンツを作る」です。
②は今の自分に欠けているものという認識はありましたが、その原因となっているのが①にあったのではないかと気づきました。

「タグをつける」というのは、簡単にいえば「自分は何者か」ということです。
これまでは、必ずそれは1つでなければいけないと思い込み、絞り切れずにいたような気がします。
だからいろんな事業に関わる中で、自分の存在意義のようなものがフワフワしてしまっていたのではないか。

著者の岡島さんが言うには、タグは1つではなくて、複数あっていい。
それを、相手に合わせて刺さるものを使い分ける。
つまり、自分目線の「販売促進」ではなくて、相手目線の「購買支援」が大切ということでした。

これには目から鱗がポロポロこぼれました!

人脈スパイラル・モデルのほかの要素についても、ただ「なんとなく」でやってきたし、そもそも大学時代まで友人を積極的に作ってこなかった私・・・。
今さらながら強く後悔することもあります(泣)

とはいえ過去は戻らない。
変えられるのは現在の自分だけ。
「失敗した」という自覚があるのであれば、それを今後の行動の糧にすることはできます。
(そうした切り替えは得意な方だと自画自賛してみる)

一方、岡島さんと共通する点もありました。
仕事を選ぶときは、よほどのことがなければ断らないというスタンスは、私も岡島さんと同様です。(私の場合、「とりあえず今は」という注釈つきですが)
自分の価値観に合うものであればOKくらいで良いのではないかと。
岡島さんの言葉では、「自分の仕事のドメインは自分で定義する」ということになります。
(これはカッコいいのでパクリます!)

ということで、先日拝聴した起業家の話と、本書の人脈術を学びとして、今後の仕事に活かしていきたいと思うしだいなのでした。

本書のまとメモ

(↓ここから本書のまとメモです。)

・戦略的に「抜擢」を呼び込む努力とは、能力開発と人脈構築

・人脈構築とは、意欲と能力のある人が、自分の力を最大限に活かせるような機会を獲得することを目的に行うもの

・「抜擢」とは、キャリアの早めの段階で「活躍の機会(抜擢)」を獲得し、それをきっかけに実績を積み上げ、その実績がさらに多くの新たな「活躍の機会」を呼び込み、実績が積みあがって社外市場価値が高まり、自分で仕事を選べるようになり、自己実現しやすくなる、という一連のプロセスの起点となるもの

・「抜擢される人」には、「抜擢される理由」がある
 → 抜擢されるための能力開発と人脈構築を「戦略的」に行ってきている

・人脈スパイラス・モデルと人脈レイヤー

・人脈は、経済的成功や社会的成功を手に入れるために構築するのではなく、楽しく仕事をし、自分らしくイキイキと生きるために構築するものである

ハーバードで学んだ人脈の哲学と人脈スパイラル・モデル

・スタディグループでは、ポジション(立ち位置)を明確にしながら、自分のユニークさ(特別さ)を提示し、グループへの貢献度をメンバーに上手にアピールすることが大切

・自分の視点で考えてばかりいても、自分の特殊性はわからない

・多様な人が集まるコミュニティの中で「キャラ立ち」をするためには、自分はどのような「タグ」をつけると一番差別化できるのかを考え、そして他人が「思わず誰かに話したくなるようなタグ」を作ることができれば、タグは独り歩きしてくれる
 → 相手が認めるような貢献ポイントを見つけてアピールする

・「私はこれができます」という「自分目線」ではなく、「その事象に対し、自分はどのような貢献ができるか=あなたから見てもオトクでしょ」という「相手目線」の説明をする

・5つの行動ステップ(人脈スパイラル・モデル)
①自分にタグをつける
②コンテンツを作る
③仲間を拡げる
④自分情報を流通させる
⑤チャンスを積極的に取りに行く

・自分が抜擢してほしいと思われる層に、最もアピールできる切り口を用意する
 → 多種類の「タグ」を作成しておいて、場や相手の状況を見ながら「タグ」を披露する

 ⇒ タグは複数あっていい。相手によって刺さるタグを使い分ける

・ビジネス人脈の要件
 ①ギブ&テイクの関係が成立することを双方が認識している
 ②お互いへの期待値がどこかで合致している
 ③一定の期間限定の可能性もあり、関係の永続性を前提としない

・抜擢されるには、「自薦」ではなく「他薦」が必要

(STEP1)自分にタグをつける

・タグは「Will」「Skill」「Value」の3つから考える
 → 将来どんな仕事をしたいか(Will)、自分にできることは何か(Skill)、相手にどんなメリットをもたらすか(Value)

・相手に自分のタグを見せるときは、「自分がいかにすごいか」「どれだけ役に立つか」「いかに自分の希少性が高いか」を一方的にアピールするのではなく、相手が受け入れやすい形に加工する
 → 「販売促進」ではなく、「購買支援」(相手が主語)

・コミュニティにおける貢献は、すばらしい貢献が求められているわけではなく、どこまで当事者意識をもって貢献について考えているか、そのために何をしているかといった「コミットメント」の強さが見られている

・自分に何が足りないか、相手に興味を持ってもらうにはどんな伝え方をすればいいかは、人に話してレスポンスを受けたときに、初めて錬磨される

(STEP2)コンテンツを作る

・タグに「客観性」を加える
 → タグの信憑性を増すエピソード(実績事例)がコンテンツ

・「やりたい仕事」への固執はコンテンツ作りの弊害になる

・コンテンツを作れそうなチャンスを得たら、いきなり「自分のやりたいこと」を実行せずに、まずは相手に「自分の可能性や価値を認めてもらう」「相手が求めていることに100%で応える」ことに重点を置く
 → 大切なことは、結果を出し、信頼を勝ち取ること

・市場価値=能力×実績×意欲

(STEP3)仲間を広げる

・意識的に仲間を増やす4つのメリット
  1)コンテンツを試せる
  2)能力開発ニーズを客観的に把握できる
  3)仲間から活躍の機会を獲得できる
  4)仲間の人脈も共有し、抜擢の機会が複利になる

・さまざまな集まりの中で話す効果として特に大切なのは、「自分が何をわかっていないか」がわかること
 → 自分に対するメタ認知

・仲間とは、共創できる相手でなければならない

(STEP4)自分情報を流通させる

・「抜擢される力」を身に付けるためには、「口コミ」が絶対に欠かせない

・「自分の情報を流通させる」とは、「まず、目の前にいる相手に、自分とのディスカッションや会話を楽しんでもらうこと」

・お互いが「相手の時間を投資してもらっている」という認識
 → 自分のタグを押し付けるだけでなく、相手のタグを拾って広める
 → 相手が困っていること、求めていることを見抜いて、それに応える

(STEP5)チャンスを積極的に取りに行く

・同じレイヤーの仕事を続けているだけでは、次のレイヤーへと断層を飛び越えることはできない

 ⇒ コンフォートゾーンの仕事ばかりだと成長はない。ストレッチが必要

・チャンスが来るときは、必ずそこに自分を抜擢してくれる人が用意した「舞台」がある
 → まずは相手から求められている成果を出す

人脈スパイラルの先には何があるのか?

・人脈スパイラル・モデルのゴールは2つの「自由」
 ①働き方の自由度も含めて、やりたい仕事を選べる自由
 ②自分の信念・使命感を大事にする仕事を選べる自由

・人脈レイヤーを上げる目的は、自分の実力をアップさせることでも、人脈を広げることでもなく、自分というリソースを自らの意思で、自由に使いこなすこと、それによって「自分らしい働き方・生き方」を見つけること