こんにちは!
まなびしごとLABの風間です。
2023年10月17日(火)、埼玉県農業ビジネス支援課が実施している「中山間ふるさと支援隊」事業の活動報告会が開催されましたので参加してきました。
今年度は6つの大学、9つのゼミの皆さんがふるさと支援隊として活動しているそうです。
私は昨年度から、鳩山町の須江地区などで活動している日本大学経済学部の川出先生ゼミの皆さまをサポートさせていただいています。
川出先生が別の予定があり、活動報告会には参加できなかったということもあり、その代わりというわけではないですが、応援にいってきました。
今年度のふるさと支援隊と対象地域は以下のとおりです。
- 大妻女子大学(皆野町、小鹿野町、長瀞町、秩父市)
- 大正大学(ときがわ町)
- 立教大学(小鹿野町)
- 立教大学(横瀬町)
- 駿河台大学(飯能市)
- 十文字学園女子大学(横瀬町)
- 十文字学園女子大学(皆野町)
- 十文字学園女子大学(ときがわ町)
- 日本大学(鳩山町)
どの活動も非常に興味深いものでしたので、皆さんの発表を聞いて気になったことを差しさわりない範囲でメモしておきます。
各大学のふるさと支援隊活動メモ
・ご当地カクテルの開発
→ おもしろい!
・地元の方に地域の魅力を感じてもらえるようにするための取り組み
→ 活動が始まる前と終わった後で検証ができるか(データを取っているか)が気になる
・木材を活用した多世代型イベント
→ 終わった後の継続性
・公共交通空白地域であるがゆえに、魅力ある観光地を1日で満喫しきれていない現状がある
・「町に来る観光客目線で」
→ 「町に来る観光客」とは誰か?
どんな人がどれだけ来ているか?
話が聞けているか?
・地元の大学が地元で活動する
→ 理想的な形。身近なエリアで頻度高く活動できるので、成果を得やすいのでは。
・活動後の継続性
→ ふるさと支援隊が終わった後、つくったものを誰が運営するのか?
・町外(県外)との小学校と地元小学校でオンライン交流
→ 学生個人のネットワークをふるさと支援隊活動に活かしているのがすばらしい
・地域再生の事例として本学カリキュラムづくりに応用
→ ふるさと支援隊活動を大学全体のカリキュラムに反映するところまで視野に入れている点がすばらしい
・残渣や収穫されずに残ったものを使って商品開発
→ 非常に魅力的!一緒にやりたい!
・活動が終わったらどうなるか?
→ 原料として使う農作物の収穫は学生がボランティアで実施した。ふるさと支援隊終了後は開発した商品はどうなるか?
・地元との信頼構築が一番大変で、最も重要なこと
→ そのために頻度高く通う、コミュニケーションをとることが欠かせない。近い方が通いやすい。まず地元?
→ 現地に行かなくとも情報発信などでできることはいくらでもある
まとめと感想
今回の活動報告会は埼玉県の事業である「中山間ふるさと支援隊」に関するものでしたが、そこにこれだけの大学が関わっているということは、地域に対する大学の注目度が高いということなのかもしれないと感じました。
特に埼玉県は交通利便性がいいので、中山間地でも比較的通いやすいという利点があります。
そのため宿泊せずとも日帰りが可能というのは、経済的な負担を抑えられるので一つのメリットになります。
一方で、ふるさと支援隊としての活動に関しては、思うように進まないこともあるように見受けられました。
その理由として、地元との関係構築に苦労していたということが挙げられます。
ここ数年は特に新型コロナの影響もあってそれが顕著だったようです。
ときがわ町で活動している十文字学園女子大学の皆さまのコーディネートをされている岡野正一さんも会場に来ていたので、お話させていただいたところ「地元でコーディネートできる人がいるのはときがわ町の強みかもしれない」とおっしゃっていました。
まさにそうだなと思います。
確かにそれをイチから自分たちで構築するというのも学びになるとは思うのですが、最初に相談できる相手がいるのといないのとでは地域に入っていく早さが全然違うはずです。
また地元の方々にとっても、直接やり取りするよりも、間でいろいろ調整してくれる人がいると負担軽減になるのではないかと感じました。
ふるさと支援隊事業全体が、大学を主体としていて基本は後はお任せ、という感じのようですので、地元側の体制としてそのような受け皿をつくっていくと、地元との関係や事業の成果がもっと見えやすくなるのではないかと思います。
(そもそもこうした活動報告の場に、地元の自治体や関係者の姿が私たち以外はゼロというのも寂しい気がします・・・。もちろん地元でも何らかの発表の場はあるのかもしれませんが、少なくとも地元の行政職員の方々は同席して、こういう場でお互いに意見交換できるといいですよね。)
その点、駿河台大学さんのように、大学のある地元地域を対象として活動するというのは理想形かもしれません。
お世話になっている大学職員の方もよくおっしゃっていますが、地域の大学にとっては、地元形評価される学生の育成、地元の人に必要とされる大学となるのが一つの在り方であり使命だといいます。
もちろん地元以外の地域に出て行って、地域で活動しつついろんな体験を持ち帰ってくるのも良いことだと思うのですが、一方で地元にも目を向けてほしいというのが個人的にも思うところです。
個人の事業として、そうした地元の大学と地域との連携をテーマに取り組んでいることもあり、ふるさと支援隊活動から学んだこと・気づいたことがたくさんありました。
それらを日々の活動にも活かしていきたいと思います。
日本大学経済学部・川出先生ゼミの皆さま、発表お疲れさまでした!
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