「今の仕事を辞めずに起業する『マイプロジェクト』の作り方」を受講しました

2021年8月16日に開催されたTOKYO創業ステーション丸の内(Startup Hub Tokyo)主宰の「今の仕事を辞めずに起業する『マイプロジェクト』の作り方」セミナーを受講しました。

(リアルタイムでの参加ができなかったため、アーカイブ視聴でしたが・・・)

教育系オンラインサロン探究島でお世話になっている株式会社ジブンノオトの大野圭司さんが講師を務められていたので興味津々でした。

あなじみのアロハ姿で登場の大野さん

すでに起業している身ではありますが、個人事業主としての仕事と、法人の経営者としての仕事の違いはすごく勉強になりました。

特に一番興味深かったのは、

社員として雇うのではなく、個人事業主として業務を発注する

という件でした。

その点について、比企起業大学をお手伝いしていることもあり、「起業家支援」という側面から考えてみました。

良い起業家支援とは?

大野さんは株式会社ジブンノオトという法人を経営していますが、ご家族が取締役になっているだけで社員は雇っていないそうです。

その理由として、以下のように語っていました。

起業家に比べて、会社員は成長が鈍化する。

子どもたちの成長を刺激する事業をやっているので、社員として雇うことでその人の成長機会を奪うことはやりたくない。

私が日頃お世になっているときがわカンパニー代表の関根雅泰さんも、比企起業大学・大学院では社員を雇わない「ミニ起業」を薦めていますので、その教えを受けた私としてはすごく共感しました。

関根さんは、社員を雇わない理由として、主に以下の3つを述べています。

①社員として雇うと固定費になってしまう
②会社員になると会社に依存してしまう
③起業家を支援するためには、お金をあげるよりも仕事を発注する(=お客さんになる)ことの方が有効

大きく分けると会社側と相手側の両方の理由がありますが、最近、③を特に重要だと思うようになりました。

行政系のサービスだと、よく創業のための補助金・助成金・融資ですとか、ビジネスコンテストの賞金など、資金面での支援が多いと思います。
ですが、それだとお金がもらえても、事業として継続できるかは別問題です。

私は2020年3月まで公務員として働いており、中小企業支援や起業家支援にも携わっていた経験もあり、「起業の継続性」は常に課題でした。

ときがわカンパニーの関根さんがいつも口にされているのは、起業で最も重要なことは「お客さんづくり」であるということです。
お客さんがいなければ、どんなにお金をもらっても事業を続けることはできません。

起業家が事業に成功し、それを継続するためには、お金を出すのではなく商品やサービスを買うお客さんになること(仕事を発注すること)が一番の応援になるのではないか。
比企起業大学で関根さんと一緒に仕事をする中で、そう強く感じるようになりました。

私自身も起業する前から関根さんにお仕事をいただいたことが、すごく精神的な後押しとなりました。
感謝しても感謝しきれません。(関根さん、いつもありがとうございます!)

起業家は自分で仕事をすることでこそ成長できる。
仕事こそが成長の糧。
会社員にとっては仕事の失敗や成功は会社のもので、いわば他人事になってしまいがちです。(もちろんすべてではありませんが)
起業家にとっては、仕事における失敗も成功も自分のものなのです。
当然、そこから得るものは大きくなります。

それがまさしく大野さんがいう、「起業家は会社員よりも成長が大きい」ということの意味なのではないかと思いました。

また「法人の経営者」になると、一段責任も重くなり、違った風景が見られるのかもしれませんね。
ゆくゆくはそうした段階も目指していきたいと考えています。

改めて「起業」の持つ意味、「起業家育成」のあり方について考える機会となりました。

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以下、セミナー内容の振り返りとまとメモです。

セミナー内容のまとメモ

(1)ジブンノオトについて

・「先生×社長」
  掛け合わせることで理念と経済を両立しやすくなる

・キャリア教育デザイナー
 数年前までは誰もいなかった。日本で唯一の存在

・楽しく続けるには、ジブン100%でいい!(果汁10%じゃダメ)
 やるからには2、3年で終わるのではなく、5年、10年続けることを目指すのであれば、100%自分がやりたいこと、自分を100%出せるものをやる。

・経営理念とは、「誰のどのような課題を解決するのか」
 ジブンノオトの経営理念「100年続くふるさとをつくる」

・100年続くふるさとをつくるには、「ふるさと」「教育」「起業」
 → 具体的に目標を数値化してみる
 → 「周防大島に3千億円の新ジャンルをつくる」
 → 子ども4千人分の経済(300億円×10年)をつくる

・原体験は母校(小学校、中学校)の閉校
 → 「なぜ同級生は地元に帰ってこないのか?」という疑問(13人中3人しか戻ってこない)
 → 「問題は教育にあるのでは?」(課題の設定)

(2)小5で起業

・『うわさのズッコケ株式会社』がきっかけ(作者は広島県出身)
 → 祖父(土木建設会社の社長)に相談。「起業したい!」

・祖父から仕事の受注
 → 経営者として、粗利50%を稼ぐ仕組みをつくることを体験

・経営者(資本家)と労働者の違いをリアルで体験

(3)有給から起業

・東京でインターネットのベンチャー企業に勤務(営業とWEB制作)

・退職前に取得した有給期間で、個人としてWEB制作を受注

・法人とフリーランスの仕事のやり方の違い

・労働基準法などの関係法令上、副業すると法律的に罰せられることはない

・就業規則は会社の内規
 → 副業禁止が規定されている場合のリスクはある

・本当にやりたいことがあるのであれば、グレーゾーンでできることはあるのでは?

気になるテーマがいっぱいでした

(4)ジブンノオトの収支

・株式会社だが、社員は雇っていない
 → 起業家に比べて、会社員は成長が鈍化する

・子どもたちの成長を刺激する事業をやっているので、社員として雇うことでその人の成長機会を奪うことはやりたくない
 → 雇用ではなく、個人事業主に業務を発注する

・1年間の業務委託の場合、前金で最初にすべて支払う

・短期・少額の仕事であれば完了払いということもあるが、50万円~くらいの大きな案件であれば、最初に前金で半額もらって、残額は四半期ごとに請求する契約を結んでいる

・売上のうち50%は自由に使えるように収支計画

・個人より、法人の方が経費面でいろいろ使いやすい

・顧客によって最初から法人化が求められることもある

・大きい組織との仕事は受注金額も大きい

(5)時間のつくり方

・自分一人で仕事をしている中で、どうやって仕事を取ってくるか?
 → こちらから営業に行くのではなく、相手からやってくる仕組みをつくる

・WEBサイトは重要
 → 「こういう会社・教育委員会とこういう事業をやっている」ことを発信
 → 中国地域で同じようなことをやっている人はいない

・WEB上に、お客さんが問い合わせたくなるコンテンツをつくっておく

・本業、家族、趣味、友人付き合い・・・やりたいことがたくさんあっても、「やらないことを決める」

・メンターを持つ
 → メンターに話をするために、日々の仕事内容(いつ、誰と会って、何をして、売上がどのくらいか)を整理する習慣
 → 自分のマイルストーンにする

・サロンに参加する
 → 「教育系オンラインサロン探究島」

・「時給3万円」
 単価が高いほど、時間ができる
 → ライバルがいない、希少性

・創業3年間は赤字だった

(6)起業家精神

①情熱
 → 情熱がないところにビジネスは成立しない
②先見の明
③やり抜く力
④共に挑む

(7)マイプロ(マイプロジェクト)

・一番重要なのは「Why(なぜ、したいのか?)」
 → 理念を重視できる

・Why(なぜ、したいの?)→ How(どのように実現するの?)→ What(具体的なプロジェクトは?)

・ファン(熱狂的なお客さん、あなただから買いたいといってくれる人)
 → ファンへのBenefit(ためになる、役立つ)を提供する対価として、Money(収入)を得る

・価格は全国を探すと同じようなビジネスを探し、差別化要因を探る