日本大学経済学部の川出ゼミにお邪魔しました

2023年1月11日(水)13時~14時30分、水道橋にある日本大学経済学部の川出ゼミにお邪魔しました。

川出ゼミでは、埼玉県農業ビジネス支援課主催の中山間ふるさと支援隊事業の採択を受けて、埼玉県鳩山町で地域づくり活動を行っていらっしゃいます。

鳩山町のちはるふぁーむさんからのご紹介で、どうしたら地域活動をより良くできるかを一緒に考えていくことになりました。

川出先生はじめ、学生の方の中には、昨年度、登壇させていただいた農業ビジネス支援課主催の埼玉県都市農山村交流実践研修会にご参加いただいた方もいるそうです。
貴重なご縁ですね。

もちろん鳩山町での現地活動も行っていらっしゃいますが、まずは学生の皆さんがどんなことで困っているのか、どんな課題を感じているのか、活動を通して何を得たいのかなどをお聴きすることにしました。

一方的に教える・教えられるという関係は好きではないので、いつもどおり対話しながら進めました。

当日の様子を差しさわりない範囲で書き留めておきます。

(上2枚の画像は川出先生に撮っていただきました。ありがとうございました!)

ふるさと支援隊活動に関する意見交換

Q1 鳩山町でのふるさと支援隊活動で、今一番困っていること・最も課題だと感じているのはどんなことですか?

・都心から距離があり、頻繁には行きにくい
・参加率が少ない
・SNSなどの広報活動が行き詰まっているように感じる
・地域の若い人たちとの関わりがないこと
・地域の方とのコミュニケーション
・活動の経験値が浅いので、どのように活動の幅を広げていいかわからない
・知識がない
・若い人々が少ない
・人手が少ない
・最終目標がわからない
・現地の人と今後「やりたいこと」の意思疎通ができているのか
・どのような人を呼び込みたいのか
・何を売り出したいのか
・現地の人のニーズが明確に分かっていない
・オンラインにおける地域の方との意思疎通
・地域の方々とコミュニケーションがとれる機会があまりないので、実際この活動について地域の方々がどのように考えているかがわからないことが課題だと思います
・明確な目的がなく何をしたらゴールなのかが見えないこと
・ふるさと支援隊活動の理想の将来像がわからない
・どのような活動をすれば地域振興になるのかわからない
・地域の方と自分たちのコミュニケーションを取れる機会が少ないので、信頼関係が深まりにくい
・週1、年30回でゼミの活動の一部のため、がっつりと関われているわけではないこと(現地活動は土日にありますが)
・進捗が遅いのではと感じる
・町民の意識の違い
・高齢化
・財源
・黒大豆の生産量
・コロナ禍での現地活動が難しいということ
・年齢の壁
・地域の現地活動にいて、関係者の連絡調整が多いため、実施日がギリギリにならないと決まらない上、天候で中止になることも多い

Q2 鳩山町でのふるさと支援隊活動で信頼構築ができていると感じる地元の人は誰ですか?

飯島さんをはじめ、複数人のお名前が上がりました。
地域活動でお世話になっている方々に対して好印象を抱いていることがわかります。

嬉しいですね!

Q3 鳩山町でのふるさと支援隊活動を通じて、自分が最も得たい・こう変わりたいと思っていることは何ですか?

・実際に体験しないとわからないその現場の空気、経験
・書面やネット以外での二次元的な知識のみならず、行動に移して現地でしか得られない情報や生の声
・地域の方々ともっとコミュニケーションをとれるようになりたい
・地域の人と仲良くなって現地のことをもっと知りたい
・地域の人たちとの信頼関係
・地域に貢献
・若い人とも話してみたい
・就活にもつなげたい
・活動の経験値を上げて、活動の幅を広げられるような知識を得ていきたい
・自分自身、田舎出身なので鳩山町のことをよく知りたい
・現地の方とのコミュニケーションを取り、活動の幅を広げたい
・少しでも鳩山町の役に立ちたい
・現地のことを知りたい
・現地の人々が求めているニーズを理解し、対応することができる能力
・私自身がどちらかというと地方に暮らしているため、地方に行きたくなるにはどのようなことをすればよいのか知りたかったから
・公務員になりたいから
・活動する上で現地の人の声を聴く
・地域活性化に関する問題解決の厳しさを実際に体験すること
・自分は市役所で働くことが夢なので、この活動を通じて地域の方々に少しでもよりそえるような人間になりたいです
・課題をいくつかに絞って地域の人と一緒に解決したい
・地域支援の経験を得ること
・普段の生活では会わないような人たちと交流すること
・地域支援活動を、地域の人たちと成し遂げることで達成感を得たい
・信頼関係を早く構築できるように変わりたい
・能動的なコミュニケーション力
・目標を達成した時の達成感
・話し合いなど、調整事項を円滑に進める力
・新たな視点を得ること
・地域支援を、シミュレーションではなく、実際に行うことで、行動力、実践力を身に付けたい
・地域を良くしたいという心根
・基礎に基づく理論と、現状打破するアイデア
・自分たちの意見と相手の意見を聞き、それを判断した上で結論を出す力
・それを実行し、達成する力
・人脈拡大する力
・継続力
・積極的に活動に参加する行動力とコミュニケーション能力を得たい
・違う世代、環境の方々と、お互いに信頼関係を築き、その中での苦労や困難を、これからの自分に活かしたいなと思いました
・今までは、友達や部活のメンバーなど同年代の人との交流が多かったが、全く赤の他人の方たち、大人の方たちから、1から信頼関係を築き、最終的に
頼られる人でありたいし、社会に通用する実践的な人に変わりたい
・積極的に交流し、コミュニケーション能力を高める
・色々なアイデアを自分から発信できるようになる
・少しでも将来に活かせそうなことを学ぶ
・年齢、性別関係なく、どんな方とでもコミュニケーションが取れるようになりたい
・鳩山町の魅力をしっかり理解したい
・自分の発信する能力を向上させたい
・就職活動では、どこに勤めたいかという会社名や業界から決めることが多いため、本活動を通じてやりたいこと、好きなことから会社を探せるような活動ベースの就職活動に変わってもらいたい

===

皆さんの意欲が伝わってきます。

ありがとうございます!

学生の皆さまからいただいた質問

Q.現地の方に喜ばれる活動を、ふるさと支援隊という活動に予算や時間などが限りがある中でどのように行えるか。また、どのように相手側の意見と擦り合わせたり、歩み寄ったりできるか。
 ⇒(回答)
 まず何をするための活動かをはっきりさせることが大事だと思います。
 私の場合、その上で、何をやるか・やらないかを、やりたいこと・やりたくないこと、できること(できそうなこと)・できないことから判断します。
 相手の判断は相手に委ねる。提案がとおるかどうかは2分の1。自分たちだけで判断できることと、相手との合意が必要なことを見極めること

Q.活動を行ってきた中でどう行った苦難があり、その時どのような事をして解決してきたかを教えていただきたく存じます。
 ⇒(回答)
 既存組織ではなく、新たに人を集めてネットワークで動こうということになった。信頼関係がない状態だったので、一緒に何かやるというより、自分がこれをやりたいという話ばかりだった。
 まずは目指す目的や価値観を共有した上で、やりたいことをすべて吐き出し、一緒にできること、共有できるリソース、人脈、情報を洗い出し、関係を再構築することから始めました。
 もちろん共有できず離れていった方もいましたが、残ったメンバーは目的を共有して連携して取り組むことができたと思います。

Q.仕事を手伝っているというより、「体験させてもらっている」という印象を受けた。かえって面倒をかけている、「お客さま」になってしまっているのでは・・・と不安
 ⇒(回答)
 ゼミ生の方々からお願いしたことではなく、現地の相手方から、農作業に手間がかかるということを知ってもらいたいということで、「体験しませんか?」と提案があったそうです。
 若い人と交流できることが嬉しい、こういう仕事があることを知ってもらえること自体が嬉しいということもあると思います。
 私が考えるとしたら、たとえば、当日の様子を写真や文章で記録して、活動報告としてお渡ししたり、SNSで当日の様子や町の様子を発信するということも考えられるかと思います。
 それも、地域の外にいる、学生の皆さんだからこそできる町への貢献の仕方の一つではないかと思います。

(振り返っての補足)
 「お客さま」の立場として参加してみて、楽しかったそうなので、それを体験プログラムとして来町者に提供するサービスを考え、実現できれば、地域の新たな仕事、価値をつくり出せる可能性もあります。

Q.公務員を退職した理由はなんですか?
 ⇒ 口頭にて回答しました(私自身のことなのでここでは割愛します)

Q.携帯電話、スマホを持っていない方も多く、現地とのやりとりに苦労しているオンラインでのやりとりもできない
 ⇒(回答)
 オンラインでのやりとりに足けた方にお願いする、役場の方に調整をお願いするということも考えられます。
 あるいは、スマホの使い方がよくわからないという方向けに、スマホ講座を開くというやり方もある。鳩山町コミュニティ・マルシェで実践している。(人気)
 また、地元の人と話したり、現地に行かなくてもできることはたくさんある。地域のことを調べたり、知ったり体験したりしたことを発信することもその一つ。

Q.ふるさと支援隊活動のゴールがわからない。行って一緒に楽しんで終わってしまっているような気も・・・
 ⇒(回答)
 埼玉県の補助金を受けてはいるが、県の目的はざっくりしたもの。
 具体的な目的は活動の当事者である皆さん自身が決めていいと思います。人から押し付けられた目的では自分事になれない、続かない。
 年度でメンバーが変わることもあると思うので、活動しているメンバーの皆さんが納得感を持って、活動できることが大事だと思います。
 「活動を通じて得たいこと、変わりたいと思っていること」がたくさん出てきたので、一人ひとり課題意識を持って取り組むことができたら、大きなエネルギーになると思います。

Q.風間さん自身は、どんな目的で、それをどうやって仕事にしているのか?
 ⇒(回答)
 ざっくりいうと、いろんな方々と一緒に地域でたくさんしごとをつくるということをやっています。
 その中で、私は行政と民間の両方の視点を持っていることが強みなので、間に入って調整を円滑にしたり、その中から新しいしごとをつくりだすことを生業にしています。

ふり返って

ワークシートにご記入いただいた内容を拝見すると、皆さんお一人おひとりがいろんな「やりたいこと」を持って活動していることがよくわかりました。

「ゼミ」というまとまりで動いているということがあるのかもしれませんが、その一人ひとりの貪欲さや意欲がもっと発揮できる場面があると、さらに生き生きとした活動になっていくような気がします。

現地での活動にもご一緒させてもらうこともあるかと思いますので、これからが楽しみです!

川出先生、学生の皆さま、ありがとうございました!

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